マンションは機密性が高く安全なのですが、戸建てに比べて風の通りも悪く、真夏の室内は灼熱地獄になります。
一般的に熱に強いと言われる猫ですが、高温高湿状態になるマンションの部屋に、何の対策も行わずお留守番をさせてしまうと熱中症になり命の危険があります。
今回、体験談を教えていただいた女性の方は、戸建てからマンションに引っ越してきたものの、建物の性質の違いに気づかなかったため、猫を病院に連れていく事になったそうです。
では早速、何が起きたのか見ていきましょう。
[mokuji]
戸建ての猫の留守番は問題ありませんでした
57歳の現在専業主婦の女性です。つい少し前まで夫婦共働き、子どもは学校に行っており、日中は家の中は不在という生活をしていました。現在は分譲マンションに住んでいますが、当時は持ち家の一戸建てに住んでいました。
夫婦共働きの核家族で生活していましたので、子どもが寂しくないようにと思い、クリスマスプレゼントで、当時子どもが欲しがっていた猫を購入しました。
もっとも今になって思うと、命をクリスマスプレゼントとして買った、ということに対してかなり抵抗感を持っていますが。
猫を家族に迎え入れたときは一戸建てに住んでいました。木造の2階建ての片田舎にある一戸建てです。その家で、猫は日中一人で過ごし、夕方学校から帰ってきた子どもとさらに一緒に過ごしている、という生活をしていました。
父の影響で戸建ての猫の留守番は何の対策も無し
もともと子どもが猫好きになったのは、私の父の影響がありました。父は大の猫好きで、子どもにとって父は「猫博士」でした。
私は動物についての知識はほとんどなかったので、父のいうことは何の疑いもなく信じていました。その父は常々、猫は1年のうち、3日しか暑いと思う日はない、と言っていました。
今考えてみると、おかしな話なのですが、猫語が話せるわけもない父がそういうと「そうなんだ!」と妙に納得をしていたわけです。
それもあって真夏であっても、何の疑問も無く猫1匹で冷房もない家で過ごさせていました。実際、猫が体調を壊すと言うこともなかったので、そんなものだと思っていました。
しかし、家庭の事情で、都市部の分譲マンションに引っ越すことになります。引っ越した後、すぐに夏を迎えました。
真夏のマンションの猫の留守番で夏バテ!?
その年の夏は大変暑く毎日大変でしたが、元々一戸建てにいたときと何ら変わらず、猫はマンションで一人留守番をさせていました。
ですが真夏のある日、少しグタッとしているような感じで、食欲がなくなってしまったのです。病院に連れて行って診察を受けると、「夏バテです」との診断結果。
よくよく考えてみると、父が育ったのは田舎の一軒家。そして、それまで私たちが住んでいたところも、木造の一戸建て。何かと風は入ってきやすい作りでした。
それが、マンションに変わったことによって、気密性の高い空間で猫は過ごすことになる、ということに全く気付いていなかった訳です。風通しの無いマンションで、猫が夏バテになってしまったのだ、と初めて気付きました。
猫には本当にかわいそうなことをしてしまいました。それ以降は少し窓を開けて、防犯用の鍵をつけて、留守番をしてもらうことにしています。マンションはセキュリティ面で、一戸建てより随分安全ですので、問題ありません。
真夏に留守番をする猫の熱中症、マンションの場合は特に気を付けなければなりません。
まとめ
時々「よくそんな熱い所で日向ぼっこしているなぁ」と思うような事がありますが、猫は一般的に多少の熱には強いと言われています。しかし実は、猫が弱いのは湿度です。
高温多湿の部屋に長期間いると、熱中症になり命の危険があります。脱水対策として水分をとれるように、夏の期間は水飲み場を増やすと良いでしょう。
また、湿度を下げるには風の流れが必要ですが、扇風機は役に立ちません。なぜなら、そもそも高温多湿の部屋の空気を流動させても湿度が下がるわけでも無く、意味がないからです。
外気などが入るように窓を少し開けておき、風の入り口を作る。そして、もう一つの窓やドアを開けて、風の出口を作っておけば風の流れが出来ます。その際、猫が脱走しないように、柵や網、ドアの固定ロックは絶対に必要です。
一番良いのは、エアコンを使用する事です。電気代が気になるところですが、除湿モードをうまく活用していきましょう。